「フェムトセル」という聴きなれない言葉を、最近はじめて知った。携帯の電波が微弱な地域では重宝しそうなのだが、あまり知られていないらしい。
電波増幅装置とかブースターとかリフレクターとか、いろいろな呼び名があるが、装置の目的は同じで、微弱な電波を少しでも強くしたい時に役立つ装置・・・らしい。
もう少し電波が来てくれないかなあと日々不満が溜まっている私のような人にとって、強力な助っ人になるかもしれない。
目次
ウチは電波難民
いわゆる電波難民と呼ばれる人々も全国規模で見たら少なくなってきたのだろうけれど、我が家は相変わらず携帯電波が微弱で、大変つながりにくい状況だ。
風に乗って電波が届くときもあるけれど、大抵の場合はアンテナが0本か1本。それでも通話はギリギリ何とかなるからいいけれど、データ通信はダメみたい。
保険会社の人が手続きに来た時も、電波がダメで専用端末がつながらず、「すみませんが今度来店いただいてもいいですか・・・」とか言われる。モデムを取り換えに来た通信会社の人もアクティベート作業ができなくて苦労していた。
救世主になるか!?「フェムトセル」
そもそもLTEがバリバリにつながるような状況だったらブロード回線の代わりにスマホのテザリングで全部済ませようかと考えている位だから、この状況は残念極まりない。で、目を付けたのが、家庭向けの電波増幅器「フェムトセル」の類いだ。
ちょっと調べればわかることだったのだけれど、ドコモ・ソフトバンク・au・楽天モバイルともに、電波難民対策を用意しているので、自分が使っているキャリアに応じて相談してみるといいみたい。
しかも導入は無料でできて、月額利用料もかからない。これを使わない手はないだろう。
ドコモのフェムトセル事情
ドコモは電波状況を改善するための方策を複数用意している。主なものはレピータとフェムトセル。
ドコモレピータ
簡単に言えば、窓際まで来ている電波を増幅してくれる装置。電波状況によっては使えない場合もあるようだが、窓際まで電波がなんとか届いていれば、効果はあるようだ。
ドコモに連絡して調査してもらって、条件がマッチするようなら無料で貸し出される。無くしたり盗難にあったりすると4万円払わなければならないらしいので、あくまでも大切な借り物。
フェムトセル小型基地局
電波状況が悪いというより、全く電波が届いてないような環境でもアンテナが立つようにしてくれるホーム基地局のような装置。
これも装置自体は無料なのだが、当然ながら電波の代わりになるものが必要で、それがブロードバンドらしい。電波をブロードバンド回線に乗せて家庭に引き込むというような仕組み。
なお、LTE対応フェムトセルはVoLTEには対応していないとのこと。
室内用補助アンテナ
レピータに近いもののようだが、ケータイに有線でつなぐ補助アンテナというものもあるようだ。端末が1基しかない場合はこれでもいいのかもしれない。
導入を希望する場合、まずはドコモに連絡して相談してみることから。
ソフトバンクのフェムトセル事情
ソフトバンクもドコモと同じようにフェムトセルを無料提供している。レンタル品で、紛失・破損して返却できない場合の違約金は26,000円とか。
ホームアンテナFT(4G/LTE)
ソフトバンクの提供するフェムトセル。
利用するには「SoftBank 光」あるいは「Yahoo! BB 光 with フレッツ/Yahoo! BB 光 フレッツコース」の契約が必要。
au(KDDI)のフェムトセル事情
auの場合は、auレピータ・auフェムトセル・簡易アンテナが用意されている。それぞれ無料らしい。
auフェムトセル
auが提供するフェムトセルはVoLTE用と3G用があり、電波状況によって設置するものが違う。ブロードバンド回線が必要な点は他社と同じだが、au以外の様々なFTTH回線やケーブルテレビ回線にも対応しているのがうれしい。
auレピータ
屋外の電波状況が設置基準値に達している場合に設置される増幅器。家の外では使えるけど、中に入ってしまうと電波が届かない、というような場合に使用する。
カバー範囲は周囲5mとのこと。
簡易アンテナ
補助アンテナ。端末と優先接続して使う。これも無料だが、複数購入することもできるようだ。
楽天モバイルのフェムトセル事情
楽天モバイルでもRakuten Casa(楽天カーサ)という小型室内アンテナ(フェムトセル)を出している。
公式では「自宅など屋内に設置することで電波状況を改善する」とある。楽天モバイルが指定するインターネット回線を契約し、開通していること等の条件があるけれど、クリアできると実質無料で設置できる。(記事作成時点)
うまくいけば自宅が楽天の自社回線の基地局になる。楽天回線なら無制限になるので、ワクワクものだ。
単体で増幅させたい場合
フェムトセルなどを使わずに、iPhone単体で電波をなんとか強くしたいと思ったら、LINKBOOK PROのような増幅器内蔵型のスマホケースを使う手もある。
iPhoneに装着するだけで電波強度とバッテリーの持ちが向上するという、魔法のアイテムのようなケース。
同様の製品に「Firefly」というのもある。
ケースに内蔵というのは魅力的だ。もし効果が十分にあるなら、これはぜひ欲しい。
まとめ
電波が弱いというのは自分の力で解決できる問題じゃない。サポートしてもらえればラッキーなほうで、たいていはすぐにどうなることでもない。
でも要望を出し続けることは必要なのだろう。
フェムトセル小型基地局の場合、設置した家庭は電波法に規定される無線局の扱いとなるらしい。利用者はフェムトセル小型基地局設備の「運用者」として総務省に登録される。(ソフトバンク「ホームアンテナFTの仕組み」参照。)
各社のサイトで、フェムトセルの注意事項に「勝手に電源を切ったり設置場所を変えたりしてはいけない」と記載されているのはそのためだ。電源を切ってはいけないというのは、なかなか厳しい。ちなみにauによると、レピータの電気代は月額400円、フェムトセルは300円ぐらいだとのこと。
無料で効果が期待できるのであれば、電波難民としては今すぐにでも導入したいところ。近日中に電話してみようかと思っている。
おまけ
パラボラアンテナを自作して4GやWiMAXの電波増幅に成功している人の記事をよく見かける。
100円ショップで売っている、台所用の銀色のボウルを使って増幅装置を自作するらしい。
こういうレベルの話になってくるともう趣味・DIYの世界になってくるよね。