旅先で撮った写真3枚→生成AIモデル→3Dプリンター、という簡単な手法の紹介

長野県茅野市には縄文時代の貴重な国宝である2体の土偶が存在します。これらは「縄文のビーナス」と「仮面の女神」と呼ばれ、茅野市尖石縄文考古館に展示されています。

本物を考古館へ見に行ければいいのですが、駅からバスで20分かかり、しかも1日3本しか運行されていないため断念。代わりに茅野駅前にあったレプリカを写真に収めてきました。

本物の「仮面の女神」は高さ34センチメートル、重さ2.7キログラムの土偶。逆三角形の仮面をつけた姿が特徴です。神に代わって祭りを行う女性を表現しているとされ、死と再生の祭りに使用された可能性があると考えられています。体には渦巻きや同心円の文様が施されており、非常に美しいデザインです。

今回は撮った写真をもとに、「仮面の女神」を3Dプリンターで出力するまでの工程を紹介したいと思います。

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モデル化への道① 3方向の写真を撮る

2つのレプリカのうち、特に「仮面の女神」の方が気に入りました。ぜひとも実体化したいと思い、正面・背面・側面の3方向から撮影しておきました。

撮れれば前後左右の画像があったほうがいいので4方向撮りましたが、右から撮ると逆光になる日差しだったので多分使いやすいのは3枚だろうなと思いながら撮っていました。

念のためiPhoneのSCANIVERSEでスキャンもしておきましたが、3Dスキャンしたモデルはプリントするまでに嫌というほど修正する必要があったりするので、私は苦手です。ARで使ったり、VRChatやCLUSTERなどのメタバースに取り込むのにはとてもいいのですが・・・。

モデル化への道② 写真から余計なものを消す

家に帰ってきてから、Photoshopを使って写真に写り込んでいる余計なものを全て消しました。

被写体以外のものが不必要にモデル化されると修正しなきゃならなくて面倒です。

しかし、こうしてみると撮影日の天気が良すぎて影が邪魔だなあと感じます。曇りの日のほうが陰影のない良好な写真が撮れそうです。

また、隣の「縄文のビーナス」が近すぎたために「仮面の女神」の側面が少々斜めぎみなのも残念。3Dモデルの生成に多少の影響があるかもしれません。

ちなみに「縄文のビーナス」のほうが国宝としての歴史は古く(1995年指定)、「仮面の女神」は2014年に新たに国宝指定された後輩です。

モデル化への道③ Hiten3Dを利用する

複数枚の写真から3Dモデルを生成してくれる、魔法のような「Hiten3D」というサービスを使い、3Dデータを作ります。

「Hiten3D」は月額$13.93(記事作成時点では約2,160円)の有料サービスですが、無料お試しが1回だけできます。(100ポイントの無料ポイントが付いているので、それで一回試せます。)

写真から3Dモデルを生成するサービスは「Tripo」もあります。こちらは写真1枚ならお試しでも生成できるのですが、複数枚だと有料になってしまうため、無料でやるならHiten3Dで一発勝負です。

あと、「Mersy AI」でも出来そうなのですが、まだ試していません。

というわけで、Hiten3Dのサイトで無料ユーザー登録をし、写真を3枚アップします。

写真をアップしたら生成ボタンをクリックするだけです。多少の時間がかかりますが、生成技術がすごく高いので難なくモデル化してくれます。

5~6分待ってたら、つやつやしたテクスチャが付いたモデルが生成されてきました。愛嬌のある仮面は本物そっくりです。ぐるぐる回して出来栄えを確認します。

背面に回ってみました。立体感があってとてもいい造形です。多少オリジナルデザインが加えられていますが、そこはAI任せの”似て非なるもの”ということで。

側面もいいですね。穴あきも崩れもなさそうです。あ、崩れが一部ありました。渦巻き模様の一つが変な出っ張りになって飛び出しています。まあこれも許容範囲ということで。

頭のてっぺんもそれらしく生成されています。マスクのバンドがとてもリアル。

足の裏が空洞にならなかったのがうれしい。穴埋めなしでいけそうです。

こんな美しいテクスチャを見せられると、フルカラーの3Dプリンターが欲しくなりますね。我が家のはBAMBULAB A1なので無理です。単色で出します。茶色がないので銀色で。

生成した3Dモデルはstlファイルで出力します。

このあとの工程はスライサーソフトの仕事です。

モデル化への道④ stlファイルをスライサーソフトに取り込んでプリントする

stlファイルをBAMBU STUDIOで開きます。Hiten3Dからエクスポートされたモデルはものすごく小さい(豆粒くらい小さい)ため、スライサーソフト上で拡大して印刷します。

とりあえず6000%にしました。これでようやく高さ6cmほどになります。

両腕や仮面の下、股の間などには、当然ながらサポートが必要です。自動で付けてくれるやつでOKです。

スライス結果から見ても穴あきが一切なさそうなので、一発で失敗なくプリントできそうです。

で、出来上がりがこちら。高さは6cmほど。シルバーでキラキラです。

後ろ姿。おおむね満足な仕上がりです。

SCANIVERSEのARと比較しても遜色なし。本物とは似て非なるものですが、雰囲気は再現されています。もっと大きくプリントしても大丈夫そうですね。

まとめ

以上、旅先で撮った国宝レプリカを3Dプリンターで再現するまでの手順を紹介しました。

手法はいろいろありますし、モノによっては生成AIでは難しい可能性もあるので、何でもこの方法でイケるとは考えていません。たくさんあるうちのひとつの手法として参考程度にとらえていただければ幸いです。

生成AIが絡んでいるので本物とは違う造形になるのは否めません。でも写真3枚でここまで再現できるHiten3Dの技術には素直に驚嘆です。3Dスキャンしてモデルを修正する手間を考えれば、短時間でプリントまで漕ぎつけられるこの方法は知っておいて損はないと思います。

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[この記事を書いた人] おき兄
デジタル世界で遊び続けて十余年。ガジェット大好き。組み立てたり壊したりするのも好き。昔はマザーボードに美しさを感じたりしていました。最近はVR/MRに傾倒。Xアカウント:@Okiniでも情報共有。

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