ラスベガスで開催されている2015 CESのパナソニックブースではFirefox OS搭載テレビが注目を集めたという。また、ソニーブースにはAndroid TVの「BRAVIA」が登場し、TVとスマートフォンとの連携を謳った。
TVのスマホ化は考えてみれば自然な流れだ。音声と映像に特化したTVは早くからLAN接続に対応しており、しくみ的にもTVチューナー付のスマホのデカいヤツのようなものだった。壊れやすいPCとの本格的な融合はしなかったが、コンパクトな基盤を持つスマホとなら融合は簡単だし、スマホ用OSなら容量も動作も軽い。
<パナソニックのFirefox OS搭載テレビ>
<ソニーのAndroid TV フリックコントロール>
ソニーのAndroid TVの場合、まだスマホからのフリックコントロールに対応しているだけだが、近い将来タッチパネルが安価に搭載できるようになればテレビの画面を直接操作することができるようになるかもしれない。あるいは画面が汚れるのを防ぐためフリック用のスティックか何かで間接的に行うとか。
家庭用TVはアナログ→ハイビジョン→フルハイビジョンと進化して、確かに見栄えは格段に良くなった。でもこれからのネットワークTVのことを考えると4Kまで必要なのか、と疑問に思えてくる。100歩譲って4Kぐらいまでならネット対応しても何とかなるかもしれないが、8Kとなるとデータが大きすぎてダメでしょ。そもそも8Kで観たいかというと別にそうでもない。映画館やセレブ宅の広いリビングならいざ知らず、庶民の自宅で観るTVなんか、フルハイビジョン程度があれば十分。それよりネット配信で何でも観られるようにしてくれた方がうれしかったりする。
TVのスマホ化は、そういう意味ではいい流れだと思う。ユーザーの意向を無視した高画質競争を繰り広げて、必要のない購買意欲をいたずらに掻き立てる胡散臭さにうんざりしていたところに新しい流れが入り込んできた感じ。だって8Kなんていらないし、最近TVあんまり観ないし。TV画面で動画閲覧できたら、きっとその方が使うよね。