バーチャルヘッドセットを初めて体験した人に多いのが”VR酔い”という症状。具体的には「気持ち悪くなる」というのがほとんどで、かなり重症になる人もいます。せっかくVRヘッドセットを買っても、VR酔いがひどくて使えないというのは残念です。アプリやゲームの中には”あまり酔わない”ものもあるので、その一部を紹介していきます。
目次
VR酔いの主な原因は”視覚と感覚のズレ”
VRアプリの多くは「歩く」「走る」「回る」「落ちる」などの動きを伴います。でもVRの世界では”自分は動いていないのに視界だけが動く”という状況になるため、視覚と感覚を同時に処理することに慣れて切ってしまっている脳が反応できず、結果的にVR酔いが発生します。
VR酔いになりにくいアプリの条件には次のようなものがあります。
- 視線があまり動かないこと
- 座ったままでもプレイできるもの
- 移動や向き変え、回転などがないもの
- 移動速度がゆっくりであること
- 跳び上がったり落ちたりしないもの
- 画面が安定している(ブレがない)こと
- CG映像などピントがクッキリしているもの
VRChatやClusterといったメタバース系アプリを利用する場合、じっとしている分には酔いません。しかし歩いたり走ったり、その場でぐるぐる回ったり、跳んだり落ちたりすると酔ってしまいがちです。
ボクササイズを取り入れたフィットネスアプリでは、対象物に合わせて能動的に体を動かすため、それほど酔いません。
手振れしているYoutube映像や解像度の低い映像、目まぐるしく視点が変わるスピードレース的なもの、FPS等はどうしても酔いやすくなります。
自分のIPD(瞳孔間距離)に合わせて快適にする
Meta Questはレンズの間隔を3段階で調整できるようになっています。自分のIPD(瞳孔間距離)を調べて、それに合った間隔に調整することでピントが合いやすくなり、VR酔いの予防になります。
IPDは「GlassesOn」等のスマホアプリを使えば簡単に測定できます。
Meta Quest2のレンズ間距離は次の3段階になっています。
IPD | レンズ間距離 |
61 mm以下 | 1 (最小幅、58 mm) |
61 mm~66 mm | 2 (中間、63mm) |
66mm以上 | 3 (最大幅、68mm) |
ほとんどの人はこの3種類のうちのどれかに当てはまるとされていますが、Meta Quest 3の場合はさらに53~75mmの範囲で調節が可能になっているので、人によってはMeta Quest 3でなければ最適な視野を得られない可能性もあります。
”あまり酔わない”おすすめのアプリ
VR酔いの少ないおすすめのアプリには次のようなものが挙げられます。
Power Beats VR
人気のフィットネス系アプリ。
LES MILLS BODYCOMBAT
大ヒットしたボクササイズ系フィットネスアプリ。軽快なミュージックに乗って楽しく運動ができるのでかなりおすすめ。
Anne Frank House VR
オランダのアムステルダムにある「アンネ・フランクの家」をVRで再現した無料アプリ。移動する場所を決めて瞬間移動するテレポーテーション方式なので酔いにくくなっています。
RealityViewer
かなりリアルなバーチャルスペースに没入できる。
Skygaze(DEMO)
部屋の天井が開いてプラネタリウムになる教育用アプリ。
Wander
Googleストリートビューを利用して世界中のいろいろな場所へ旅ができるアプリ。
The Infinite Inside
VR仮想世界で遊ぶ3Dパズルゲーム。パーツを組み合わせたり人形を所定の位置に置いたりする簡単な操作でクリアできるので、コントローラーでの操作に慣れていない初心者にとっては楽しみながら練習できる良作アプリです。
The Infinite Inside(Meta Store)
歩ける全天球動画
広いスペースを使って、歩きながら楽しむバーチャル空間アプリ。水族館と滝とモデルルームが体験できます。
Wooorld
Google Mapのコンテンツを利用したVRならではのマップ&コミュニケーションアプリ。感動します。仲間と一緒に近未来的なツアーに行きましょう。
Arcadia
ハンドトラッキング専用の簡易ゲームアプリ。コントローラーを使わないダイレクトタッチを用いて、特殊な方法でボールを投げます。
酔いやすいアプリとは?
人によって反応の差はあるけれど、FPSのような一人称視点でせわしなくグリグリ動かなければならないゲームは酔いやすい傾向にあります。
meta quest2にside questを導入し、録画時の解像度を変更してみた。これで16:9。しかし酔うな……今回は編集で中央に白丸を入れたけど……VR酔い対策を講じなければ、アシュリーを助ける前にダウンしてしまう pic.twitter.com/FAcnF4qvAc
— ぺたへるつ/PetaHz (@PetaHz) July 23, 2023
移動手段としてテレポート方式を採用するゲームも増えており、VR酔いしにくい工夫がされるようになってきました。
PSVRのバイオハザード7もよかったけど、Quest 2のバイオハザード 4も怖面白い。移動方法はFPS方式だと酔うが、テレポート方式だと酔わない。
— はぐれ遊民 (@i_wan_ya) June 26, 2023
まとめ
Meta Questでできる”あまり酔わない”アプリの紹介でした。順次追加していきます。VRヘッドセットは高価なもの。せっかく購入したなら、できるだけ活用したいですね。
とりあえず触ってみようかな、という感じならMeta Quest 2の中古品をメルカリで購入するのも手です。
どうしても重さが気になる人は天井から吊るすという究極の手もあります。