Meta QuestなどのVRデバイスは2022~2023年に一気に普及したように思います。Meta(旧Oculus)の製品を例にすると、2016年にOculus Riftが発売されたのを皮切りにOculus Go(2018年)、Oculus Quest(2019年)、Rift S(2019年)、Oculus Quest 2(2020年)、Oculus Quest 3(2023年)と進化してきましたが、特にOculus Quest 3やApple Vision Proの登場はVRヘッドセットの実用性を広く知らしめることとなりました。
ただし実際にはVRヘッドセットはまだまだ開発途上であり、さまざまな課題が山積みだと言われています。本記事はMeta QuestなどのVRヘッドセットをこれから購入しようと思っている人へ向けて、購入前に知っておきたい事柄(問題点・課題)をまとめたものです。
目次
Meta Questの課題①「重たい」
Meta Quest 2の重量は515g、Meta Quest 3は503g。「たいしたことない」と思う人もいるかもしれないけれど、500ml入りのペットボトル1本をおでこに貼り付けるのと同じ。首や肩が痛くなるのは避けられません。
Meta Questはデフォルト状態だと頭にゴムバンドで固定するような仕様なのですが、頭にしっかり固定することで重量負荷を感じにくくするためにはヘッドセットの同時購入は必須。
ちなみにApple Vision Proの重さが453g、本体重量295gという軽量さがウリのPico 4はヘッドストラップ(バッテリーが入っているので必須)込みで585g。
技術的に無理だとは思いますが、個人的には本体重量が100gぐらいにならない限り、どうしても重く感じると思います。私は早々に天井からゴムロープで吊るして使うことにしました。とても快適です。
Meta Questの課題②「酔う」
Meta Questに限らず、VRデバイスは酔います。酔い方の程度は個人差がありますが、車酔いや船酔いのひどい人はかなり注意が必要です。酔い止め薬を飲んでからゲームをする人もいるそうです。
VR酔いをしない人もいるようですが、ほとんどの人は”視点が移動するのに身体は動かない”というアンバランスさに耐えられなくてどうしても酔ってしまう。ある程度は慣れで克服できるそうですが、克服するまで我慢するのもどうなのという気がします。
私はメタバース プラットフォームの「Cluster」で自分が作ったワールドに入ってみたかったので、Meta Questを買ってすぐチャレンジしたのですが、ワールド内でグリグリ走り回ったら途端に気持ちが悪くなりました。Unityでワールド内の移動速度を2分の1に制限してなんとか楽しめるようになりましたが、やってみるまでわからないことってありますね。いまだに移動を伴うVRゲームは苦手です。
Meta Questの課題③「目が疲れる」
VRデバイスは超至近距離のレンズに映る映像を見続けている状態なので、”目の疲れ”を感じる人が多いようです。
視力を酷使するのでVRの見え方は目が比較的元気な朝とかの方が見やすくて、目が疲労してきている夜とかはピントが合いにくくて見づらくなります。
ただし、VRデバイスの使用が目に与えるのは疲労だけではないという話もあります。一部の報告ではVRデバイスの使用で視力が回復した例も少なくなく、VRを用いて視力を回復する医療実験も行われています。
Meta Questの課題④「圧迫感がある」
VRデバイスはある程度重量のある本体をヘッドセットという固定バンドで頭部を締め付けるように固定します。孫悟空の緊箍児(きんこじ)のようなもので、前後にかなり圧迫されるのは避けられません。顔の部分に強く押し付けることになるため、跡が付いたり頬が痛くなったりすることもあります。ずっと使っている私も、頬骨が圧迫されるのは相変わらず気になります。
ちなみにフェイスカバー部分は交換が可能で、日本人の顔に合ったカバーも販売されています。顔面への圧迫はフェイスカバーの形状によっては軽減されるのかもしれません。
Meta Questの課題⑤「思ったほど魅力的なアプリがない」
VRデバイスの楽しみ方は人それぞれですが、自分がVRデバイスで何をやりたいのかを明確にしておくことは重要です。
流行りの「Power Beats VR」や「LES MILLS BODYCOMBAT」などのVRフィットネスに挑戦したいのか、VR画面で迫力満点のホラーゲーム「Bio Hazard 4」の世界を満喫したいのか、Google ストリートビューと連携した「Wander」で世界中の名所を360度VR画面で巡りたいのか。
VRデバイスが登場した初期の頃にバラエティー番組等でもてはやされた高いところを歩く体験アプリ「Richie’s Plank Experience」がやってみたいというだけではすぐに飽きるか、早々に酔うかのどちらかです。
Meta の公式アプリストアをのぞいてみて、どのようなアプリが楽しめるのかあらかじめ確認しておくことをお勧めします。
ちなみに私はMeta Questを購入して以来ずっと「LES MILLS BODYCOMBAT」をやり続けていますが、このフィットネスアプリは飽きないし全く酔わないし汗をかくので最高だと思っています。
Meta Questの課題⑥「ダイレクトタッチ対応アプリは少ない」
Meta Questはコントローラーを使わずに手だけで操作する「ダイレクトタッチ」に対応しています。これはVRデバイスのカメラが手を認識して(ハンドトラッキング)、指先のジェスチャーだけでVR画面を操作できる機能。実際に体験するとかなり近未来を感じます。
Meta Quest内での基本的な操作はコントローラーを使わなくてもダイレクトタッチだけで可能です。メニューを選んだり、画面の端を掴んで移動させたり、仮想キーボードを打ったりすることができます。
ダイレクトタッチに非対応のアプリを起動させると、コントローラーを使うよう求められます。そしてダイレクトタッチに対応しているアプリはとても少ないのが現状です。
ダイレクトタッチに対応しているおすすめのアプリは「The Infinite Inside」「Virtual Piano」「First Hand」「arcadia」など。
ちなみに個人の感想ですが、メニュー内のボタンを押したり、マーカーを使ってキーボードで文字を入力したりするのはコントローラーを使った方が圧倒的にやりやすいと思いました。
おわりに
以上、Meta QuestなどのVRヘッドセットをこれから購入しようと思っている人へ向けての、購入前に知っておきたい事柄(問題点・課題)のまとめでした。
いろいろ課題を並べてしまいましたが、Meta Questを毎日何らかの用途で使っている私的には買ってよかったと思うことばかりです。近い将来的にVRは避けて通れないアイテムになると思うので、早めに慣れておくことが必要だと思います。
新品を購入するならMeta Quest公式サイトでヘッドセットもセットで購入するのがおすすめです。
とりあえず触ってみようかな、という感じならMeta Quest 2の中古品をメルカリで購入するのも手です。