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難しいけどクセになる!UnityでVRChatワールド制作してみた話

https://booth.pm/ja/items/5444080UnityでClusterのワールドやMeta Quset用のVRワールドを作成して遊んでいた筆者が、VRChatのワールドづくりに挑戦してみた。どこのサイトを見ても簡単につくれるように書いているけれど、これがなかなかの難しさ。

ほんとに、とりあえず自分のワールドを作るだけというなら手順通りに進めれば必ずできる。でもそこから2、3歩進んでみようと欲を出すと、ほどなく原因不明(詳しい人ならわかるのだろうけど)のエラーに悩まされたり、どういうわけか思い通りに動かなかったりする。

筆者は専門的知識がない状態から始めているので、エラーが出ると対処できない。でも2週間ぐらい格闘してみると少し見えてくるものがあって、それがちょっと嬉しかったりする。わかったことをまとめる意味で、素人なりにまとめておこうと思う。

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自分のワールドをつくる前に済ませておくこと

とにかく自分のワールドが欲しい!という場合には、何よりも優先して達成しておかなければならないことがある。それはVRChatのトラストランク(トラストレベル)を下から二番目まで上げておくことだ。

VRChatのプレイヤーには次のようなランクが設けられている。

①Visitor(ビジター):体験クラス。アバターやワールドのアップロードは不可。
②NewUser(ニューユーザー):初級クラス。アバターやワールドのアップロードが可能。
③User(ユーザー):中級クラス。ワールドをパブリック化(一般公開)できる。
④Known User(ノウンユーザー) :上から数えて2番目。ベテラン。
⑤Trusted User(トラステッドユーザー) :最上級のクラス。達人。

最低でもNew Userにならないと、ローカルでいくらワールドを作り込んでもサーバーへアップロードすることができない。だから自分のワールドを作るつもりなら、ひとまず累積10数時間遊んで、フレンドの一人や二人つくって、さっさとNewUserに昇格しておく。

CreatorCompanion経由でUnityを仕込む

ワールドを作るまでの簡単な手順は次の通り。

まずはVRChatの公式サイトにログインして、無料のアカウントを作る。ニックネームとEメール、パスワード、生年月日を入れるだけ。お金は一切かからない。クレジットカードの登録もない。

登録したアカウントでログインしたら、ダウンロードのページから「Creator Companion」を入手。ダウンロードページへのリンクボタンは左上の三本線のアイコンをクリックして出てくるスライドメニューの中にある。

VRChatのCreator Companion(通称VCC)というのは、UnityでいうところのUnity Hubみたいなもの。VRChat向けのワールドを作成する時にはVCCから作成すると相場が決まっている。

VCCをダウンロードしたら、次はローカルでのインストール作業になる。ダウンロードした「VRChat_CreatorCompanion_Setup_2.*.*.exe」を起動して指示通りにインストール作業を進めていく。

Unityとか初めて使う、という人の場合、インストールする環境にUnity HubやUnity Editorが全く入っていないので、インストーラーがそれらのインストールを促してくる。あらかじめインストールしてある場合を除き、この段階でダウンロード&インストールをする。

VCCのインストールを終えて起動させたら「Cleate A New Project」をクリック。

メニューから「Worlds 2022」というのを選び、プロジェクト名とインストール先を入力してCreate Projectをクリック。

次に表示されるのが「Manage Packages」。これはエディターに含まれるモジュールを並べて見せているページなのだけれど、最低限必要なものは上に3つ並んだ「VRChat SDK – World」と「VRChat Package Resolver Tool」と「VRChat SDK – Base」で、これは自動的に選ばれている。Latest Versionの欄に緑色の上向き↑が出ていたらクリックしてバージョンアップしておく。

バージョンアップし終わったらOpen Projectをクリック。

Open Projectをクリックしてしばらく(かなりしばらく)待つとUnityのエディターが立ち上がってくる。ここからようやくWorldづくりのスタートだ。

無料のアセットを活用して手っ取り早く家を建てる

Unityエディターの準備ができたら、とりあえず無料のアセットを利用して家を建てて、それをさっさとVRChatのサーバーにアップしてみよう。

Unityが立ち上がった時、最初に表示されているのはAssets/Scenesの中にある「VRCDefaultWorldScene.unity」というシーン。このシーンには必要最低限のものしか用意されていない。ここに家を持ってくる。

無料のアセットはいろいろあるが、例として今回は下記の素敵な”庭付き一戸建て”を導入してみる。

BOOTHのサイトで0円で販売されている「FireFoxCat House」をダウンロードしてくる。このファイルはZIP圧縮されているので展開して「prefabDrag.unitypackage」というファイルにする。拡張子が”unitypackage”のファイルはUnityエディターにドラッグ&ドロップするだけでインストールできるので便利だ。

で、このprefabDrag.unitypackageをAssetフォルダーの空欄あたりにドラッグ&ドロップする。

するとインストールの内訳を一覧表示するダイアログが現れる。そこで右下の「Import」をクリックすればインストールが進行する。

インポートが終わるとAssetフォルダー内のFireFoxCatフォルダーに「House.prefab」というファイルができるので、これをシーン内の任意の場所にドラッグ&ドロップする。これで設置完了。

ちなみにHierarchy欄のVRCWorldという項目がプレイヤーの出現場所などを持っており、アバターが最初に向いている方向が青矢印の方向。下の図のように家を置いたら、出現時は家に背を向けて立っていることになる。

その場合はLotate Toolに切り替えてVRCWorldの向きをマウス操作でぐるりと回転させるか、右のInspector欄のTransformのLotationのY値を180に変えておく。

これで家の設置は完了。サーバーにアップしてプライベートなワールドを立ち上げてみることができる。

VRChatのサーバーへアップロードする

いよいよワールドのアップロードだ。上のメニューからVRChatSDK⇒Show Control Panelを選択。

初回はVRChatのログイン作業がある。登録メールに送られてくるパスコードを入力してログインすると、ワールドのサムネイル画像と名称と説明を入力する画面が登場する。

「Capture in Scene」をクリックして、今開いているシーンをそのままキャプチャーできるのでサムネイルの登録はとても簡単。Review Any Alertsの欄にAuto Fixというボタンが出ていたら全部クリックしてFix処理させておく。

Platformの欄はWindowsになっていると思うが、Androidスマホ用のVRChatアプリからもアクセスしたいと思ったらクリックして出てくるプルダウンメニューのAndroidにもチェックを入れておく。

あとは「Build & Publish」をクリックすればワールドのアップロードが始まる。

アップロードは毎回かなりの時間を要する。何らかの重篤なエラーがないかぎり、待っていれば終わる。(開始してすぐに、OKを押さなければ先に進まないダイアログが出る)

緑の文字で「Upload Finished」が出れば終わり。

Windows用のVRChatでワールドに入ってみる

あとはVRChatのメニューにある「My Worlds」に登録された自分のワールドに普通に入ってみる。

アップロードさえ出来れば、確実にワールドとして登録されているので、入れるのは間違いない。

このワールドはNewUser(ニューユーザー)が登録したものなのでパブリック化(一般公開)できない。あくまでもURLを知っている人だけが入れるプライベートワールドなのだ。

あとはこの家にお気に入りの家具を配置するなり、ドアや窓を工夫したりするなり、エクステリアに凝るなりして夢空間に変えていけばいい。

オールインワンのシーンを導入するにはさらに知識が必要

上の「FireFoxCat House」にいろいろなアセットやギミックを付け足していくのも楽しいけれど、素人が自分でつけ足していくとなんとなく煩雑になってしまう。

隠れ家的なチル空間に必要なものっていうのは結局限られていて、洗練された家具、おしゃれなライティング、ミラー(鏡)、動画を再生できるプレイヤー、便利なテレポートゲート、快適にV眠できるベッド・・・そのあたりが揃っていれば言うことなし。

で、その条件に当てはまるオールインワンのセットがあればそのまま導入するのもあり。

例えばこういうPrefabセット。

このセットをそのまま導入できれば手間いらずで素敵な家が手に入ってしまうわけだが、この「10x3StartKit_forUnity2022_3_22f1.unitypackage」というパッケージをダウンロードしてそのままインポートしても、めあてのシーンは正常に機能しない。

家そのものはもちろん建っているのだけれど、備え付けのミラーや照明、ロフトや屋上へのテレポートなどが使えないのだ。

筆者は素人なので詳しいことはわからないから、結局BOOTHのページに書かれているクレジットに挙げられているモジュールを全てインポートし、その中の一つであるVRC_Starter Kit SDK3のBOOTHページに書かれていた「USharpVideoを先にインポートした方がいいよ」みたいなことも丸呑みしてUSharpVideoを先に入れ、もろもろ仕込み終わってから最後に「10x3StartKit_forUnity2022_3_22f1」をインポートしてようやくフル稼働するシーンに行きついた。

入れたのは下記のモジュール。もちろん不要なものもあったと思うけれど、最終的に動いてくれているという結果だけがありがたい。

USharpVideo
https://github.com/MerlinVR/USharpVideo/releases

iwaSync3 メディアプレイヤー(Hoshino Labs.)
https://booth.pm/ja/items/2666275

CyanTrigger(cyanlaser)
https://booth.pm/ja/items/3194594

VRC_Starter Kit SDK3 (ねこさんちのものおき)
https://booth.pm/ja/items/3435413

StarterKitButtonManager
https://booth.pm/ja/items/3435413

VRCPlayersOnlyMirror(Temporal)
https://booth.pm/ja/items/2685621

ちなみにUSharpVideoを入れる際にTextMeshPro関連なのか「Import TMP Essentials」と「Import TMP Examples & Extras」のインストールを促すダイアログが出る。言われるままにインストールしている。

究極はやはり有料のセット商品か

無料のPrefabセットで導入の練習を重ねたら、有料のセット商品に手を出すのもおすすめだと思う。

最初から高価なprefabを購入してしまって自力で導入することができなかったら目も当てられない。でも有料のセット商品にはそれだけの魅力と価値がある。

ほとんどの有料セットがデモ用ワールドを設けているので、実際に体験して検討することができる。

3Dモデル [Modern House M4.re]

雲の上に建てられたガラス張りの2階建てモデルルーム。広々とした間取り、開放感のあるバルコニー、明るいギャラリールーム、しゃれたインテリアや小物など、全て洗練されていてお買い得物件です。

【VRC向けワールド】House -01-

美しい夜景を見下ろす高層ビルのワンフロア。掘りごたつ式のバーカウンターや落ち着いた雰囲気の個室、ムーディーなバルコニー、寝室やバスルームなどが揃った豪華な”大人の隠れ家”的な物件。

【VRChat向けワールド】Notion

最初の小部屋からテレポートすると、その先には広大なイベントスペースが・・・。パーティーに使えるギミックが揃った楽しいワールド。大人数の集まりでも安心の広さです。

McMansion VRChat World American Suburban Home

二階建ての庭付き・ガレージ付き一戸建てハウス。アメリカ映画に出てくるような典型的なファミリータイプの家です。このあたりの規模になると100MBを余裕で超えてくるため、

Premium Mini Modern House Episode4 (UPDATE v1.3)

海に面した高級な別荘風の建物。サイズは小さいですがロケーションが素晴らしく、テクスチャーも凝っています。風になびく木々の葉や庭を流れる水路、暖かな木漏れ日など再現性の高いアセットでリアル感があります。

これまで使ってみて便利だったアセット

いくつかのワールドを試しに制作してみて、使い勝手の良かったアセットを書き留めておく。

AAChair : 自動調節椅子 / Auto Adjustment Chair

アバターの”膝の裏”がくるポイントを指定することで、さまざまなアバターに対応することのできる椅子。

Quest対応・低負荷Mirror切り替えスイッチ

Meta Quest対応というところが気になったので使ってみた。

桜の木、揺れるシェーダー、花びらパーティクル付き

風に揺れる桜の木の9本セット。花びら舞い散る。

やさしいテレポート

酔わないテレポート。エリアに入ると飛んでいくのと、キューブに触れると飛んでいくのがある。

LogStream – テキストログ表示アセット

プレイヤーが掲示板にログを残せる。設置も取り扱いも簡単。

スクショの貼れる看板

テキスト入りの画像を埋め込むだけで使える、とても使い勝手の良い看板。

YamaPlayer – VRChat向け動画プレイヤー

Unity標準のビデオプレイヤーを使うよりも簡単で高機能でおしゃれ。

ジップラインシステム

自分で決めた複数のポイントをロープでつないだジップラインコースを高速移動する移動システム。音や振動が楽しい。

Nature Starter Kit 2

手っ取り早く周囲を森林にしたい時に便利。木を1本1本選んで植えることもできる。

おわりに

VRChatはフレンドと交流することそのものが楽しいのは言うまでもないけれど、自分の好みのワールドを作ってまったりするという楽しみもある。もちろんフレンドを招くのもよし。

ワールドづくりはとにかくUnityの敷居が高い。最低限のワールドで満足できるのなら基本的な知識を学べば何とかなるけれど、作り込んでいくうちにどうしても欲が出る。ギミックに手を出して良くも悪くもハマる。

でも素人なりに悩んだ末にうまくいったりするとやっぱり達成感がある。楽しい。難しくないけれど難しいという面白さは周りの人におすすめしたくなります。

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[この記事を書いた人] おき兄
デジタル世界で遊び続けて十余年。ガジェット大好き。組み立てたり壊したりするのも好き。昔はマザーボードに美しさを感じたりしていました。最近はVR/MRに傾倒。Xアカウント:@Okiniでも情報共有。

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