高グラフィックで複雑なストーリー展開が自慢のRPGやアクションゲームも楽しいけれど、スマホでやるゲームはシンプルなほうがハマりやすかったりするものだ。カラフルでド派手なキャラクターの世界と違い、オーソドックスな作りのRPGゲームやアドベンチャーゲームは、心休まるものがある。グラフィックがシンプルなほうが、想像力の入り込む余地があるから楽しめるのかも。
世界観やストーリーで楽しませてくれる、完成度の高いお手軽ゲームを紹介。
彼女は最後にそう言った
”祭りの夜はお面をつけて、死者がこの世にもどってくる・・・”
登場するのは一昔前のゲームのような8ビットのキャラクターたちなのだが、プレイしていくにつれて頭の中でリアルな姿に補完されていくから不思議。ラノベを読んでいるかのような気分にさせてくれるしっかりしたストーリーは、終えた後の満足度も高い。
「ゲームで泣けるとは・・」「素直に感動した」「やってよかった」等、このゲームが暖かく受け入れられた理由は、変に凝ったり捻ったりという”毒”がなく、その純粋さに癒された人が多かったからなのかもしれない。
『彼女は最後にそう言った』
ネコ公園で待ってる
こだま町という小さな田舎町で成人式を迎える幼馴染の6人の男女の身辺に起こる怪現象。それは彼ら彼女らの子供時代に起きた不幸な事件に端を発していた・・・。心に抱えたトラウマがもとで、成人になり切れない彼らは、時にぶつかり合いながらも、少しずつ絆を深め合い、ついには忘れようとしていた過去との対峙の時を迎える。
ホラーアドベンチャーの要素を含みつつ、さわやかな後味を感じさせる良質な作品。前編と後編があり、後編のみ有料となっているが、これ、前編やった人はほとんどの人が後編買うよね、って思う。安いし。
『ネコ公園で待ってる』前編
Airs(エアーズ)
ただのラブコメだと思ってナメてかかってはいけない。確かによくあるハーレム的な設定なのだが、これがなかなかの力作なのだ。
近未来の世界で、若者たちはAirsというシステムでコミュニケーションを取っている。通信用モジュールを頭に埋め込み、端末なしで直接頭の中で通信し合い、映像は網膜に直接映し出される。主人公はAirsのアプリケーションを作るデジ部の部長。彼を取り巻く人間関係、心の葛藤、そして便利であるはずのAirsが孕んでいる問題点や危険性などの要素がちりばめられたこのゲームは、無料ゲームとは思えないほど完成された世界観を持っている。
登場人物たちのキャラクターがそれぞれに個性的で魅力がある。ストーリー自体も荒唐無稽ものやドタバタものではなく、主張性のある内容なので、素直に惹き込まれる。アニメ化しても通用するんじゃないかとさえ思う。
『Airs(エアーズ)』
ちなみに続編『Airs XG』もリリースされていて、こちらも大人気。これは誰でも続きをやりたくなるね、絶対。
良いゲームは単なる暇つぶしでは終わらない。後味の良さはリフレッシュにもつながる。まあ、感じ方には個人差があるだろうけれど、時間があるときにちょっと試してみたら、結構ハマると思うけど。