Microsoft Officeを買ってPCにインストールして使う、という誰でも必ず行う当たり前のことが、ひょっとしたらもう必要ないかもしれない。驚きのwebアプリケーションが2014年2月20日に登場した。マイクロソフトの提供する「Office Online」。無料である。びっくりである。
OneDriveとの完全連携でクラウド環境を実現
もともと「Office Web Apps」という名称で「SkyDrive」とともに提供されていたサービスだったが、わかりにくい名称とSkyDriveとの関連が理解しにくかったのが災いして、利用者が少なかった。今回の名称変更で「Office Online」「OneDrive」に生まれ変わったこのサービスは、内容も仕組みも大きく進化して、クラウド時代の本格的なwebアプリケーションとなっている。
「Office Online」も「OneDrive」も、Microsoftアカウントを取得するだけで無料で利用できる。提供されているアプリはWordオンライン、Excelオンライン、PowerPointオンライン、One Noteオンライン、カレンダーで、それらが全てweb上で動作し、リアルタイムにOneDriveへ保存されていく。ファイルを開くときもOneDriveから直接開けるのでシームレスだ。
お約束のテンプレートも充実しているので、ドキュメント作成もスピーディー。
無料で最大15GBのクラウドストレージを有効活用
「OneDrive」は無料で7GBまで利用できるオンラインストレージなのだけれど、さらに友達紹介で5GBまで(1人あたり0.5GB)、スマートフォンのカメラロール(フォトデータ連携)で3GBの無料増量サービスがあり、合計すると15GBまで無料で増やせることになる。 →OneDriveの新規登録ページ
この大容量ストレージは、個人のドキュメント保管庫としては申し分ないサイズ。Office onlineとの組み合わせは、他の無料オンラインストレージにはない魅力だ。
OneDriveはブラウザーで操作する以外に、PC用・スマホ用に無償提供されているアプリをインストールすることで、より使いやすくなる。
インストールされているOfficeとのシームレスな連携
IEやFirefoxからアクセスした場合、デスクトップアプリケーションとの連携機能も利用できるので便利だ。OneDriveに保存されたドキュメントを編集する際に、Onlineで編集するか、インストールされているWordで編集するかを選択することができ、デスクトップアプリケーションを選ぶと自動的にアプリケーションが立ち上がる。
そのままOneDriveに保存すれば、Onlineもデスクトップも区別を意識することなく作業ができるので、オフィスでも外出先でも、PCを選ぶ必要がない。今までのように「Officeが入ってないから・・・」と悩む必要はなくなった。なお、この連携機能だが、私のPC環境ではIEとFirefoxでは問題なく機能したが、OperaとChromeとSafariはダメだった。動作するブラウザーについては公式ページに記載されているので確認してほしい。
しかしながらこれだけの機能をそろえているのに無料とは、Microsoftはさすが太っ腹、と感謝感激するしかない。ハードディスク容量の少ないミニノートにアプリを無理やり詰め込んで持ち運ぶ時代は着実に終わりに近づき、本格的なクラウドの時代を迎えつつあるのだということを実感させられるサービスである。