WEBブラウザー上でも動くメタバース・プラットフォームとして注目を集めているのが2017年にリリースされた「STYLY」。CLUSTERやVRChatと同じように無料で使えて、自分でシーン(ワールド)を作ってシェアすることができるクリエイティブツールだ。
Webブラウザ、モバイルアプリのほか、Oculus Quest、HTC VIVE等のバーチャル・リアリティヘッドセットに対応している。
初心者でも簡単にシーン作成ができる「STYLY」。どれくらい簡単か紹介していこう。
目次
Webブラウザー上で編集できる「STYLY」
STYLYには制作ツール「STYLY Studio」と閲覧ツール「STYLY Gallery」がある。
STYLY Studioはブラウザー上で動くクラフトツール。PCがあれば専用のソフトは必要なく、初心者にとってはそれだけでハードルが低くなる。
Stylyを使うには、公式サイトで無料アカウントを作ってログインする必要がある。ログインしないとStyly Studioには入れない。
STUDIOに入ってVRの新規シーンを作る場合、テンプレートの中から「VR Scene Template」を選ぶ。
デフォルト状態ではTransparent floorとSkyboxと自分のポジションしかないけれど、空と地面とオブジェクトのassetを選ぶだけであっという間にシーンっぽくなる。
青空と水面と小島をセットしてみると、こんな感じに。
建物のセットやライトも選ぶだけでOK
セットに使えるパーツには建物や自然物、乗り物、動物、ライトなど様々なものが用意されており、それらを組み合わせるだけで簡単にVRワールドが作成できる。
各種ASSETや3Dモデルの追加はSTUDIOの左上にあるメニューアイコンをクリック。
3Dモデルも相当数あるので、バーチャル展示室などを作るのもかんたん。
ライトは4種類ほどあり、色も自在に変えられる。
STUDIOで作成したシーンをPublishにすると、PCのブラウザーやスマホアプリで閲覧できるようになる。
スマホで見る場合はAndroid/iOS用のアプリを利用。バーチャルヘッドセット向けにはOculus Rift/Oculus Quest / Quest2用アプリが用意されている。
オリジナルの3Dモデルも配置できる
STYLYではScaniverseやLuma AIなどの3Dキャプチャーツールで制作したオリジナルのモデルをインポートすることもできる。インポートはメニュー内の [My uploads] ⇒ [3D model]から行う。
インポートできる3Dモデルの形式はFBX, Blender, Obj+Mtl+Jpeg, glTF(.zip or .glb)になっている。ScaniverseならGLB形式あたりがおすすめだ。Selectでファイルを選び、UploadボタンをクリックすればOK。
インポートしたモデルはMy Modelsに追加されるので、それをクリックしてシーンに組み込む。手軽にできるので面白い。
写真や動画の貼り付けもOK
STYLYはシーンの中にオリジナルの写真画像や動画を貼り付けることもできる。
最大8枚の写真が映し出されていくスライドショーを作ったり、曲面スクリーンに動画を再生させたりと、けっこう自由にできるのがうれしい。
シーンをサイトに貼り付けることができる
STYLYはシーンをSNSでシェアできるほか、サイトに埋め込むこともできる。シェアはGALLERYのShareボタンから行う。
下は貼り付け例。公式によれば「シーンの埋め込みは、最大2GBのメモリを使用する場合があります」とのこと。
STYLYの問題点
STYLYはかんたんでおすすめなのだが、まだまだ開発途上の様子。フォーラムを見ると数多くの質問が出ている。STYLY STUDIOでシーンを作成する場合、現時点で主に次のような難点がある。
・mesh colliderが組めないのですべてのオブジェクトがすり抜け放題。階段を上ったりすることができない。
・Shaderをいじれないからインポートした3Dモデルの色が変だったりしても修正できない。
まとめ
以上、WEBブラウザー上でシーン作成・閲覧ができるメタバース・プラットフォーム「STYLY」を紹介してみました。
初心者でも簡単で、ツールの使い勝手も良くてかなりおすすめ。これから改良されてまだまだ良くなると思うので、今のうちからちょっと触ってみておくといいかもしれない。
CLUSTERのような完成度はないけれど、UNITYをいじったりするのはあまり自信がない・・・という人にはVR/ARの入り口として最適だと思う。