iPhone7 PlusとiOS 10.1の組み合わせで実現した、一眼レフのような背景ボカシの技。これがあれば一眼レフを持ち歩かなくても済む・・・という期待を持つ人も多いだろう。でもiPhone7 Plusはデュアルレンズを利用して被写体の距離を測定し、ソウトウェア処理によって背景をボカしているので、一眼レフのようにはいかないことは予め理解しておく必要がありそうだ。
注文の多いポートレートモード
iPhone7 Plusのポートレートモードは注文の多いモードだ。
まず、被写体は240cm以内に位置していなければダメ。「近過ぎず遠過ぎず」の距離でなければデュアルレンズによる”被写界深度”が測れず、ソフトウェア処理ができないらしい。
同様の理由により、暗すぎてもダメ。
”被写界深度エフェクト”という表示が黄色くなってくれればOK。このアングル取りが難しい場合も少なくない。
ポートレートなだけに人物は得意
実際に撮影してみる。このアプリは背景ボカシ処理をする前とした後の画像データを療法保存してくれるので比較がし易い。以下、twenty20プラグインを使用してスライド式で比較できるようにした。
ポートレートモードなので、人物撮影は得意だ。手前に人が入る構図で、背景をいい感じにボカしてくれる。
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構造物にも効果的
手前の構造物にピントを合わせれば、背景がボケてダイナミックな写真になる。これは今までのiPhoneでは撮れなかった写真だと思う。
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大きめの灯篭を相手にしてみた。ポートレートモードに切り替えると一気に画面が寄るので、思ったような構図にならない場合もある。
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不自然なボケ無し空間ができることも
被写体の輪郭を読み取って背景をボカす処理をするため、囲まれた空間が被写体の一部と判断されてしまい、ボケ効果が適用されない場合がある。
下の写真の場合、耳の間があまりボケていない。
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囲み空間がなければ大丈夫。
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光り物は苦手
ミラーのような光り物は境界線を上手に判断できないため、おかしなことになる。
下の写真は、ボカシ処理をしてくれない方が良かったという例。
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遠近のはっきりしない被写体も苦手
どれが一番手前にあるか、人の目でなら瞬時に判断がつくけれど、iPhone7 Plusには判断できない場合が少なくない。
下の写真の場合、白いバラと左の葉との両方にピントを合わせてしまっているので、不自然な写真に仕上がっている。
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とはいえ、デュアルレンズの効果は高く、人物だけでなく、ちょっとした小物をドラマチックに撮影したい時には重宝する。いちいちデジタル一眼レフに短焦点レンズを装着して・・・みたいな手間が必要なくなるのは事実。これまでのiPhoneカメラで撮影した奥行きのないのっぺりした写真と比べれば、背景がボケてくれるだけでも素晴らしい進化である。
ポートレートモード自体もまだベータ版であることだし、今後のバージョンアップや新たな使い道に大いに期待したい。
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